BeOS R4.5 で、一番の注目していただきたいものは Media Kit です。
今回のリリースに関して、一番多くの努力と開発時間が Media Kit に費やされ、BeOS R4.5 にはその結果が現れています。
おそらく、R4.5 の変更の半分は、 Media Kit に関するものです。概要は以下の通りです:
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主要なパフォーマンスの改良
Media Kit 内部の書き換えは、スピードと信頼性に重点が置かれています。
その差を示すことは難しいのですが、短いプロセス時間でより多くのことが、確実に行えることでしょう。
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メディアファイルフォーマット対応
多くの業界標準メディアファイルフォーマットを標準サポート:
- MPEG
- QuickTime
- AVI
- WAV
- AIFF
- AU
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ビデオデータのエンコード/デコード方式のサポート(codecs)
多くの業界標準ビデオデータ圧縮フォーマットを標準サポート:
- MPEG-1
- Indeo 5
- Cinepak
- PJPEG
- MSVideo (CRAM)
- MS-RLE
- Apple Video (RPZA)
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オーディオデータのエンコード/デコード方式のサポート(codecs)
多くの業界標準オーディオデータエンコードフォーマットを標準サポート:
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新しい MediaPlayer アプリケーション
ついに BeOS はメディアファイルを実行するための独自のアプリケーションを搭載しました。
MediaPlayer は、 Media Kit でサポートしている全てのオーディオやビデオファイルの再生が可能です。
新しい CODEC のサポートはCODEC をメディアキットの適切な場所に放り込むだけで追加され、MediaPlayer が起動します。
MediaPlayer は、スクラブとループ用のすばらしい機能も装備しているので、 BeOS でのムービー再生を存分に楽しめます。
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新しい TV アプリケーション
これもメディアキットベースのアプリケーションで、お使いのビデオキャプチャハードウェアで直接、ライブ映像が(VCR を接続してあれば、録画映像も)鑑賞できます。
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新しい CodyCam アプリケーション
これは、Media Kit ベースになっており、お使いのビデオキャプチャハードウェアを使用して一定の間隔をおきながら画像を保存し、FTP あるいは Web サイトにアップロードするアプリケーションです。これは、驚くほど使いやすく、ソースコードも入っています!
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新しいカメラアプリケーション
デジタルカメラと通信し、カメラからコンピュータへの画像のコピーを容易にするアプリケーションです。
シンプルで、特別なソフトウェアを使用していることに気付かないほど簡単に利用できます。
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新しい SoundRecorder アプリケーション
これは Media Kit ベースのサウンドの再生と録音ができるアプリケーションです。素晴らしいインタフェースにより、 サウンドを楽しみながらMedia Kit がサポートする全てのオーディオハードウェアへ録音できます。
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驚異の 3DSound アプリケーション
3DSound は、ある目的を念頭においたデモアプリケーションとして生まれました:
その目的とは、人々をノックアウトすることです。
このアプリケーションは、BeOS に対してとても疑り深い人の目さえも画面に釘付けにして、他のプラットフォームを凌駕する BeOS の真の強みを見せてくれます。
3DSound は、真の完全なるアプリケーションとして書き直されました。
2 秒もあれば理解できるほど自然なリアルタイム3D soundstage インタフェースを使用して、3DSound がデジタルオーディオトラックのシーケンスとミックスを容易に実現します。
驚異的なサウンド作品を制作したら、他の人が聞けるように WAV ファイルに保存しましょう。
いくつかサンプル 3DSound プロジェクトも付属していますので、レコーディングエンジニア志望の方でなくても、見たり、聞いたり、再生できます。
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新しいメディア設定アプリケーション
メディア設定アプリケーションは、BeOS 4 ではそれぞれ別だったオーディオとビデオ設定アプリケーションが統合したものです。これにより機能性も統合強化され、さらにいくつかの設定オプションが追加されています。
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新しいサウンド音量 Replicant
新しいメディア設定アプリケーションの部分は、デスクバーに配置できる新しい音量コントロール Replicant になっています。
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Bt848/878/879 ビデオ入力ノード
ノードは、デベロッパがソフトウェアをより簡単に開発するために使用されます。
このビデオ入力ノードにより、ほとんど全てのアプリケーションにおいて、デベロッパがビデオ入力をサポートしやすくなります。家族全員でお楽しみください。
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新しい GameSound Kit
エンドユーザが直接使用することはできませんが、この新しいキットの少なくとも一部分は、特にゲームを BeOS にポートしやすくするように作成されました。これは、名前のない(しかし広く噂になっている)一人用シューティングゲームをポートする我々独自の経験を基に作成されてます。
きっと気に入っていただけると思います!
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追加の API 簡易化、改良、バグ修復
繰り返しますが、エンドユーザへ直接影響するわけではありません。しかし、これらの改良により、デベロッパは Media Kit を使用して素晴らしいソフトウェアをより簡単に開発できるようになります。絶対、気に入って頂けるはずです!
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カーネルタイミングとスレッドスケジュール機能の改良
この改良はユーザを対象とした方針ではなく、基本的に、リアルタイムで発生する必要がある事柄が、リアルタイムで実際に発生しているということです。これは、リアルタイムサウンドやビデオのエフェクトを使用して作業しているときに一番認識できるかと思います。
この機能が、他のプラットフォームと共存できる BeOS のもっとも優れたです。
デベロッパへのより詳しい情報として、スレッドスケジュールレイテンシは現在 250 マイクロセカンド(並外れた低い数値)まで下げられており、その数値への干渉からドライバのコードを守るために、カーネルレベルを保護しています。